離島の現実:対馬の漂着ゴミ

離島の現実 対馬に漂着する大量のゴミ

対馬は”対馬海流”という名前がつく通り、九州西方沖に分布する黒潮系の水塊と東シナ海の沿岸水が混ざり合った海水が対馬海峡を通って日本海に流入する暖流により豊富な漁場となっています。釣り人に人気のヒラマサから本マグロでさえ釣り上げるチャンスのある海域なのです。その対馬が、実は漂流ゴミの問題を抱えているという事実をご存じでしょうか。

対馬は南北82kmと細長く、非常に入り組んだ地形になっていることから、海岸線も長く、総延長は915kmにもなります。例えてみれば、対馬は自然でできた大きな網のようなものです。また中国大陸や韓国などの諸外国との国境付近に近接していることからも、冬の時期特有の中国大陸からの季節風が吹くことにより、毎年膨大な海ゴミが漂着する結果となっています。その量は、対馬の予算で片付けられるようなボリュームではなく、このような状態が続けば、いまに対馬の大切な観光資源も失われていってしまうことになるでしょう。これは対馬という一つの例にとった話ですが、そもそも世界中に排出されているプラスチックゴミは信じられないほどの規模になっています。いまは対馬などの日本海側の離島(五島、壱岐、佐渡ヶ島など)を中心とした問題かもしれませんが、近い将来、日本海岸側は現在の離島と同じレベルの漂流ゴミの問題を抱え、収拾(収集)がつかない状態になるというのはそう遠くはない未来の話なのだと思います。

対馬に漂着したゴミ:ニューススイッチより拝借

対馬としても、官民連携で様々な取り組みをしています。
以下はいくつかの例です。全て日刊工業新聞より抜粋しておりますので、詳細の記事はそちらからお読みください。

海岸漂着ゴミ、空撮画像のAI解析技術公開 自律制御研など

2020/8/21 日刊工業新聞より

伊藤忠など、買い物かご開発 海洋プラゴミ原材料に

2021/2/10 日刊工業新聞より

海がどのような状況におかれているのか事実を知ることは、”豊かな海を未来に”につながる活動になるものと考えています。どうすれば解決するのか、皆さん一人ひとりが考え、行動することできっと”豊かな海を未来に”は実現できるものと信じています。皆さんはどうお考えですか。